イエウール


相続登記の義務化

相続登記の申請義務化が決定
2024年までに施行される制度を解説

相続登記義務化へのポイント

今回の相続登記に関する法改正の大きなポイントは、以下の3つです。

 

・相続登記の申請義務化(3年以内の施行)
・相続人申告登記の(仮称)の創設(3年以内の施行)
・所有権の登記名義人の氏名または名称、住所の変更の登記の義務づけ(5年以内の施行)

相続登記と所有権の登記名義人の変更について、正当な理由がなく申請しなかった場合には、それぞれ過料を支払わないといけません。
今回の記事では、所有者不明土地が問題になる背景と、相続登記をしなかった場合のデメリット、手続きの方法などについて解説していきます。

?約2割の土地が所有者不明

平成28年度地籍調査(563市区町村における計622,608筆)において、
登記簿上の所有者の所在が不明な土地は20.1%。
(地帯別の所有者不明率は、DID14.5%、宅地17.4%、農地16.9%、林地25.6%)

 

多死・大量相続時代の到来が所有者不明土地に影響

所有者不明土地の増加防止に係る新たな取組が進まない場合、所有者不明
土地は着実に増加。現在の所有者不明土地の探索が行われないとすると、
2040年には約720万haに。(参考:北海道本島の土地面積:約780万ha)

 

所有者不明土地の経済的損失は約6兆円(2017-2040年の累積)

算出可能なコスト・損失額を試算した結果、2016年単年での経済的損失は約1,800
億円/年である。2040年までの所有者不明土地面積の増加等を考慮すると、 2040年
単年での経済的損失は約3,100億円/年にのぼり、累積では約6兆円に相当。
? 算出できなかった項目もあることから、実際はさらに大きな損失額となる可能性。

 

 

 

この問題を解決へ導くため、国は相続登記の義務化を模索。そして、2021年2月に法整備を検討してきた法制審議会が相続や住所を変更した際の登記を義務づける法改正を上川陽子法務相に答申し、4月21日の国会で成立しました。

 

 

・相続登記の申請は3年以内に
相続で不動産の所有権を取得した場合、相続の開始を知って、かつ、所有権を取得したと知った日から3年以内に移転の登記を申請しなければなりません。
遺産分割で所有権を取得した際は、分割の日から3年以内の登記が義務づけられます。例えば、遺産分割協議が2年後にまとまった場合、その日から3年以内に登記を申請しないといけません。もしも、正当な理由がないのにも関わらず、この二つの申請を怠った時は、10万円以下の過料を求められます。
新たに「相続人申告登記」(仮称)も創設されます。申請義務のある人が、相続が始まったことや自分が相続人であることを申し出れば、義務を履行したものとして認められるものです。遺産分割協議が終わっていないけど、先に申請しておきたい、というケースを想定したものです。
正当な理由がなくて申請していない場合は、5万円以下の過料を払わなければなりません。施行は3年後の見通しです。

 

・登記名義人の住所変更などは2年以内
所有権を持つ名義人の氏名や名称、住所に変更が生じた場合は、変更があった日から2年以内に申請しなければなりません。土地の所有者が転居を繰り返して所在が分からなくなることを防ぐのが狙いの一つです。この義務は5年以内に施行されます。

 

不動産相続の手続き

まずは、不動産相続を行う際の全体的な手続きの流れを解説していきます。

 

遺言書がある場合、遺言書の内容に沿って相続の手続きを進めましょう。
自筆遺言書・秘密証書遺言を見つけたら、その場で開けずに家庭裁判所で所定の手続きを行った上で開封しましょう。
また、遺言書には時効がありません。
そのため、相続手続きが終わって遺産を分け合った後でも、遺言書が見つかったら内容に沿って相続をやり直さなければいけません。

 

@相続人・相続財産の確定
相続人は、遺言書がある場合には、基本的に遺言書に係れている人が相続人になります。

 

遺言書が見つからなかった場合は、誰が相続人なのかを調べるために、相続人の確認と相続財産の確認が必要です。

 

A遺産分割協議で分け方を決める
遺言書がある場合は、遺言書の内容に沿って相続の手続きを進めましょう。

 

遺言書がない場合は、相続人がどのくらい遺産を分けていくのかを決める「遺産分割協議」が必要になってきます。

 

・遺産分割協議で話がまとまらない場合
遺産分割の際に分割方法や不動産の評価方法でもめることがあります。「売却して現金で配りたい」や「相続して住みたい」など相続人間で意見の対立が生じやすいです。

 

遺産分割協議では期限が定められてなく、一度トラブルになると長期化する可能性があります。

 

それに加え、相続税の納税期間は10カ月以内なので、それまでに遺産を分けなければならなく、相続税の優遇制度も利用できなくなってしまいます。

 

遺産分割協議で話がまとまらない場合は、調停を申し立て、それでもまとまらない時は審判による裁判所で判断してもらうのが賢明です。

 

 

相続が決まれば売却や管理、運用をを不動産会社に依頼しましょう。

 

⇒大阪収益物件最新情報

関連記事