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不動産業者の悪習「囲い込み」

不動産業者 囲い込み

 

不動産業界で昔から当たり前のようにされてきた「囲い込み」。この悪習にようやくメスが入ったとニュースでみました。ここで囲い込みって何のこと?と思う人もいるはず。ということで調べてみました。

 

不動産業者の売買仲介の仕組み

囲い込みについて説明する前に、業者の売買仲介の仕組みについて。

 

不動産が売りに出されると基本的に不動産業者だけが閲覧可能なレインズというものに登録されます。するとその物件を買いたいお客さんがいる業者が、売りに出してる業者へ問い合わせるわけです。そして物件売買の仲介をする業者は買主や売主から手数料をもらうことで収益をあげています。この額はだいたい「3%+6万円」。5000万の物件なら最大で5000万×3%+6万=156万円となります。ということは買主と売主の両方から貰えれば倍になるワケですね。

 

そこで、倍額を手にするため他の業者からの問い合わせには「商談中です」などとウソを行って断ってしまう手段が横行しているようです。これが「囲い込み」というものです。

 

今は売り買い両方を自分のところで見つけられた場合、手数料半額などとしてお客さんを集めている業者もいます。果たしてそこは他社からの問い合わせにどう答えているのやら・・・。

 

不動産業者の囲い込み改善に国がとった対策

アメリカではこういったことはすでに禁止されているようですが、日本でもようやく動き出したみたいです。他社からの問い合わせでウソをつかせないようレインズで商談状況が確認できるよう仕組みを変更させました。

 

レインズの変更項目

2016年1月から不動産情報のほかに「取引状況」の入力が義務付けられました。「取引状況」には「公開中」「書面による購入申込みあり」などと表示され他社からの問い合わせに対し「商談中です」とウソがつけなくなりました。

 

でもこれで改善されたか?と言ったらそんな簡単には変わらないようです。利益が倍になる旨味をそうやすやすとは手放してくれないみたいです(汗)。オレオレ詐欺が巧妙化していったように「囲い込み」の手口も巧妙になっているらしい。

 

そのやり口は簡単で、まずは他社からの依頼を一旦受けます。そして次のように受け答えします。

 

担当者が受付けた場合 → 「ほぼ同時に申込みがありお時間を頂きたい」
担当者以外が受けた場合 → 「担当者不在のため折り返し連絡します」(で連絡しない)

 

要するに先延ばししたり取り次がないようにしてるんですね。

 

 

2013年にも囲い込み改革の動き(レインズ利用規定に「正当な事由のない紹介拒否行為の禁止」を追加)があったのですが、なんの効果もなかったようです。結局業者同士でなあなあの関係になってるんですね。不動産投資家的にはよろしくない状況ですが、もし今関わってる業者さんがレインズに物件登録した業者名を教えてくれるなら直接そこへ問い合わせれば買えないことはなさそうです。


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