融資審査と担保評価額

不動産融資 担保評価額

 

不動産融資のときに審査される年収や勤務先などの「属性」、借りる「理由」、過去の「返済履歴」、そして「担保」。他が悪くても「担保」によっては融資してもらえる可能性もあります。そこで「担保」の評価方法や評価額についてまとめてみました。

 

担保評価方法と評価額

私自身、担保評価額は時価や固定資産税評価額などで評価されるんだと思っていましたが、少々違いました。次の式で割り出されます。

 

担保評価=時価×担保掛目

 

時価の評価方法

「時価」とは広告やネットで見かける価格(実勢価格)のこと。主に以下の5つから評価されます。

 

・不動産鑑定士の評価
・路線価額などの評価
・特別な計算方法による評価
・不動産業者にヒアリングした結果で評価
・チラシやレインズ情報による評価

 

この中から1つだけってことはなく、2つ以上を使って評価することもあります。

 

担保掛目とは?

「担保掛目」とは、建物だったら経年劣化していく分を考慮するといった、返済不能になった時点での適正な担保価値を評価額にするための差し引き割合です。おおむね70〜80%くらいに設定している金融機関がほとんど。仮に担保にする不動産が時価4000万で担保掛目70%だとしたら、担保評価額は2800万となります。

 

担保評価と実際の融資額

単純に担保評価額が3000万だから融資限度額も3000万まで、とはなりません。他の属性など他の審査ポイントも関わってくるので、ここから上下します。他の項目が良ければ限度額が大きくなることも。これは金融機関によってさまざまですが、以下のように融資限度額に補正値をかけて計算することもあります。

 

融資限度額=(担保評価+規定値)×補正値

 

規定値・・・新築は売買価格まで、もしくは担保評価+2500万までが限度
補正値・・・最大3倍まで、時価程度までは増やしてOK

 

担保よりその他項目を重要視する銀行系などだとこの辺かなり融通を利かせてくれるようです。ただ時勢によって金融機関の姿勢も変わるため、不動産仲介業者などを通して常に情報収集しておきたいですね。

 

不動産の担保評価

路線価図を使用した土地の担保評価

上で書いた担保評価方法5つのうち、一番公平性が高いのは国が定めた路線価額(公示価格)を元に計算した額でしょう。通常、路線価額は時価の8割り程度に設定されていて、国税庁ホームページに掲載されています。

サンプル:皇居外苑の路線価図

路線価図 皇居外苑

 

赤丸に「12,720A」とあります。数字部分は路線価額で「12,720千円/u」を意味します。アルファベットは借地権割合で以下の表のとおりです。

記号
借地権割合90%80%70%60%50%40%30%

よってこの道路に面した土地は1uあたり12,720,000円もするんですね。高すぎる(汗)。借地権割合は「A」の90%となります。所有権を持っているなら100%です。これを使えば土地の価格が割り出せます。

 

土地価格=路線価額(円/u)×土地面積(u)

 

実際は土地の形状で補正されますがおおまかに計算するならコレで十分です。もしここにマイホーム建てるため10m×10mの敷地買おうと思ったら土地代だけで13億円くらいになります。毎日皇居周りランニングするには最適ですがコスパ悪いですね(笑)

 

建物の担保評価

計算には以下の4項目を使います。

 

・1u当たりの単価(円/u)・・・国税庁HP参照⇒H25年までの建築価額表
・建物面積・・・登記簿謄本に掲載
・築年数・・・登記簿の築年月日から計算
・耐用年数・・・登記簿の構造種別と国税庁の耐用年数表を比較

 

これらを以下の計算式に当てはめます。

 

建築価格=1u当たりの単価×建築面積×(1−築年数÷耐用年数)

 

あとはこれに土地の分を足して担保掛目をかければ担保評価を算出できます。

 

仮に上の路線価図(皇居外苑付近)内に土地建物を持っていてるとして、条件は以下のとおりだとします。

 

【建物】総床面積100u、築年数10年、木造(耐用年数22年)
【土地】面積200u、路線価額12,720,000円/u
【金融機関の担保掛目】80%
【1u当たりの単価】152.7千円/u

建物価格=152,700×100×(1-10÷22)=約8,329,090円

 

土地価格=12,720,000×200=2,544,000,000円

 

担保評価=(8,329,090+2,544,000,000)×80%=2,041,863,272円

 

というわけで、20億円くらいの担保評価額となります。

 

少々サンプルが悪かったかもしれませんが(汗)、これで算出した額が希望融資額に届かないなら金融機関独自の補正値、規定値だよりになります。

 

国税庁の耐用年数表
木造22年
木骨モルタル造20年
鉄骨鉄筋コンクリート造鉄筋コンクリート造47年
金属造(鉄骨造)19・27・34年
レンガ・石、ブロック造38年

 

担保評価不能な不動産

違法建築、法律上建物が建てられない土地、周囲の環境が悪い(暴力団の事務所があるなど)といった項目に該当する不動産はそもそも担保にしてくれないこともあります。これは最初に金融機関に聞いてみるのが一番です。


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